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上代の住み継ぐ家

家族の暮らしを紡ぐ、150年の木組みの家

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隠れていた天井の床を外すと黒光りする大きな木組みの架構が現れ、この家の歴史を語る玄関ホールとなった

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屋根が朽ちかけていたものを、小屋組を変え、トイレと水回り付加して、家族の接客空間に再生

奥がこの家のルーツとなる納屋、蔵が明治4年の建築、その後に建てられ た主屋、150年の歴史を繋いできた佇まいが地域の景観を保っている

 ▶設計のポイント 

狭小敷地の中で豊かに暮らす空間を最大限考えた住宅です。1階は水周りや寝室といったプライベートな空間を閉ざした空間として構成し、生活の主体は2階としました。2階にはリビングが延長したように続くバルコニーを設けて、外を中の一部として使用できるような空間としました。

​■プロフィール

1955年生まれ
九州東海大学建築学科卒業 設計事務所勤務を経て、有限会社FU設計共同主催

2013年~熊本県立大学非常勤講師
◇受賞歴
2005年 真の日本の住まい提案競技 文部大臣賞受賞

2006年真の日本の住まい提案競技 林野庁長官賞受賞

2000年・2004年 JIA熊本住宅賞選考委員賞受賞

2004・2011年・2018年 熊本アートポリス推進賞選奨受賞

住宅実績/木造50棟、RC2棟

設計監理業務費/総工事費の10~15%

ARCHITECT

梅田 彰 Akira Umeda

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当時の土間の空間は幾度の改修で、小さく区切られていたが、ワンルームのリビングダイニングに改修し南北を繋ぐ団欒の空間に再生

有限会社 FU設計

暮らしをやさしく包む木組みの家を、

職人と共に、 住み手も力を合わせつくっています。

【所在地】〒862-0962 熊本市南区田迎5-7-6

【TEL】096-214-8425

【FAX】096-214-8425 

【URL】https://fuarchitect.com

【Mail】at-ume@kii.bbiq.jp

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額装した妻飾りの鏝絵、竹の米俵用の漏斗のペンダント、壁土は屋 根の葺き土の再利用と、全てこの蔵に有ったもので改修、次の世代へと引き 継ぐ為にこれからも少しづつ手を入れていく

龍田の家族を繋ぐ木の家

大屋根が包みこむ大らかな家。光と風、木の香に癒されて

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全部が見渡せるキッチンがこの家の中心。作業台兼食器棚やキッチン カウンター、ワークスペースの机や本棚、全て大工さんの手仕事

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雨除けの大きな玄関ポーチは、子供たちの自転車 や外遊びの道具置場として必需品

雨の多い熊本では、木の家を守ってくれる軒の出は長いのが基 本。夏場の日射遮蔽で快適に暮らすための必須アイテム

 ▶設計のポイント 

敷地の景観は申し分なく、一方で、この敷地に伴う建 築条件は厳しく、工事費を圧迫するものばかりでした。 墨付けから刻み、建て方、建具や造作家具まで、黙々と建て主の思いをカタチにしてくれた一人親方の大工 棟梁がいたからこそ、この家は成立しました。完成までの2年間、子供達も一緒に現場に通い、造り手と対話しながら家づくりを楽しんでいただきました。

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当時の土間の空間は幾度の改修で、小さく区切られていたが、ワンルームのリビングダイニングに改修し南北を繋ぐ団欒の空間に再生

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小屋 裏の隠れ家は台所の吹抜けの横。家族の気配を感じながら趣味に 没頭できる空間

2年の歳月をかけて家族の夢を詰め込んだ

地球規模で環境問題が問われる中で、高温多湿で災害の多い日本で培われてきた昔ながらの家づくりが今見直されている。家を長持ちさせるための工夫や技、暮らしを豊かにするさまざまな先人の知恵が、再認識されているのだ。そんな日本建築の素晴らしき技法を生かし、機械に頼るだけの快適さではなく、環境負荷の小さな住まいを提案しているのが建築家の梅田彰さんだ。

紹介する龍田の家は、天草在住だった施主が2年後に始める熊本の暮らしを見据えて始まった木の家づくりだった。要望は平屋のような大屋根に、屋根裏部屋があるシンプルな「おうち」。キッチン廻りにはゆとりのある作業スペース、 いつでもゴロゴロできる場所、薪ストーブと趣味に没頭できる隠れ家的スペース、奥様たっての要望は、室内の物干しスペースなどなど。当初は小さな木の家だったのだが、家族の夢を詰め込んだらどんどん膨らんで、それでも工夫と知恵を絞って、理想の「シンプルな木のおうち」は完成した。

蔵、納屋、母屋を20年かけて再生

始まりは年前の蔵の修理。屋根が朽ちかけていたのを、修理するだけでなく、トイレと湯沸かしを新設しリフォーム。ただの、物入だった蔵が、家族全員が使える接客や趣味の空間へと生まれ変わった。

5年後、この家の歴史のルーツである納屋に着手。石場建ての足元が朽ちて傾いていたものを、揚屋をして基礎を新設、足元を固め、構造補強を行い 木摺りの土壁仕上げを施した。外壁の 腰壁には蔵の目板瓦を再利用し汚れ止めとした。

その7年後、主屋の改修に着手。幾度か改修が施され、サイディングにサッシの近代的な外装に変わっていたが、高温多湿で雨の多い熊本の環境の中で、木の家を長く住み続けるために必要な、架構の仕組みや、木の使い方、組方などの伝統的な家づくりの知恵が、生かされた造りが残っていた。

座敷や居室をつくっている骨太の柱 や梁などの木組み架構はほとんど傷んでおらず、縁側や物入などの家の外周部の足元が傷んでいたため、本屋の基礎石周りの補強を行い、傷んだ下屋の柱や足固めを取替、土壁などの補修を行った。

併せて、今の暮らしに合わせた間取りの変更など、建物の歴史的な架構をデザインとして生かした改修を施した。主屋の改修が終わり、次の世代に引き継ぐ家の構えが整い、地域の景観も豊かになった。

 House Data 

熊本市西区上代の家(家族2人)

【敷地面積】約600.0坪 【延床面積】主屋/約66.8坪

【工法】伝統構法

【設計期間】約6ヶ月 【工事期間】約7ヶ月

 House Data 

熊本市北区龍田の家(家族5人)

【敷地面積】約98.9坪 【延床面積】約40.4坪

【工法】木造軸組工法

【設計期間】約12ヶ月 【工事期間】約11ヶ月

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