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SPECIAL ARTICLE

2021/12/21

​話題のスマートなオフィス

真の快適さこそが家族の末永い健康につながる。
長期優良住宅、高断熱・省エネ住宅を熊本でいち早く標準仕様とし、
熊本地震では住宅面での復旧・復興の取り組みに邁進してきた。
城南町にある本社兼ショールームに加え、
2021年6月、甲佐町に木造の新社屋「EVER FIELD BASE」を自らの手で建設した。
鉄筋コンクリートのオフィスとは一線を画したその空間には、

丁寧な工程を可能にする効率の良い職場環境と、日本の"木の文化"を守り社風があった。

サスティナブルな工務店
次世代に繋ぐ新オフィスを探訪

株式会社 エバーフィールド

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新築実例

エバーフィールドは完全注文住宅の家づくり。

全棟、耐震等級3・断熱等級4・省エネ等級5の長期優良住宅認定を標準仕様とし、設計・建設性能価を全棟に実施している。安心安全な機能面を充実させながら、体感で感じる真の快適性を追求し、健康で永続的に過ごせる環境を整えている。

 美しい木目の外観、木の温もりを感じる玄関・階段に目を奪われながら2階の事務所に到着すると、そこには一見木造とは思えないスタイリッシュな空間が広がっていた。鉄骨製のようなデザインが印象的な梁は、木材と合板で作ってあり、その強度の高さが木造では難しい広いスパンを実現している。

 「気温や湿度が適度な一定レベルを維持する家で生活していると、長生きできるという実験結果があります。ここも、そんな断熱性能が高い家と同じ作り方をしているので、仕事中も快適です」と話してくれたのは、スタッフの秋本健太郎さん。他にもデスクのフリーアドレス制やペーパーレス、現場にいるスタッフにもリアルタイムなスケジュールを共有できるネットワーク、ZOOM会議を可能にするモニターなど、DXへの取り組みも積極的に行っている。「最先端とまではいきませんが、建てる側がリードして実体験しておかないと、施主さまに良いご提案ができません」と秋本さん。1階には社員のみならず大工他建築技術職の人材育成、技術向上・継承のための研修室も設けられ、常に学べる環境が整えられている。

 今後、敷地内には現在建設中のミーティングルーム棟や「くまもとアートポリスプロジェクト」による世界初の建築工法の木材加工場建設も予定されており、これからもわくわくする体験を届けてくれるに違いない。

快適で長く住める木造住宅で、日本の未来を守る

 弊社は全棟に長期優良住宅の認定を取り、性能評価においても設計性能評価、建設性能評価、さらに第三者機関による5回の検査、合計10回の検査を行っています。これは現場の作業を10日止めることになり、工期に影響を及ぼしかねませんが、お客さまに確かな安心安全な住まいを提供するため不可欠だと思っています。

 しかし、そういった仕様は弊社としては当たり前の姿勢で、それよりも一番大切にしているのは “体感上の快適さです”。昨今、住宅性能においては数値ばかりが強調される傾向にありますが、数値では測り切れない“体感上の快適さ”こそが重要だと考えています。例えば数値優先で断熱材を選んで超高気密にした場合、室内が過乾燥になったり、同じ数値の断熱材を使用しても季節や地域によっては快適さが異なってきます。これでは“数値が高いから快適”ということにはなりません。住宅は10年後、30年後に結果が出ます。真の快適性が続いてこそ、長く住み続けられるのです。30年ごとに建て替える家よりも、50年、100年と永く住める長期優良住宅が増えることで、持続可能な社会の構築「LCCM住宅」の実現にもつながります。

 実は、以前はカッコいいデザインを追求していましたが、“カッコいい”はいずれ飽きるということに気づきました(笑)。

今はお客さまの住まい方、暮らし方=ライフデザインをどう住宅に反映させていくかが、快適な住まいにもつながっていくと考えています。

※LCCMは「Life Cycle Carbon Minus (ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)」の略で、LCCM住宅は「住宅のライフサイクルを通じてCO2排出量を正味マイナスにする住宅」を指します。

​全て木造とは思えない地上9.7mの社屋。今後敷地内にミーティングルームと「くまもとアートポリスプロジェクト」による木造加工場が建設される

熊本県の建築会社で建築を学び現場を経験。2000年、エバーフィールドを立ち上げる。家族の健康を守り環境にも優しい家づくりに取り組み、現在、全棟長期優良住宅・高気密・高断熱を標準仕様とした家づくりを手掛けている。地域貢献と地場工務店の底上げにも尽力。(一社) KKN(熊本工務店ネットワーク)会長、全木協熊本県協会会長、(一社) JBN(全国工務店協会)理事

株式会社エバーフィールド 代表取締役社長

久原 英司さん

社長が提唱している数値やデザインに捕らわれない“ 体感上の快適な住まい”とは ?

Q

新事務所も木造ですが、
木造や木材にこだわるのはなぜ ?

Q

 木は自ら湿度調節をし、しかも耐久性に優れた素材です。海に囲まれた湿気の多い日本には、木材はとても適しています。さらにSDGsの観点からも、地域材を使って林業を活性化するのはとても大事なことです。輸入材と競った安い値段ではなく林業が成り立つ適切な、かつ安定した値段で取引され、それによって植樹から伐採というサイクルを循環させることが重要です。森林はCO2を吸い込んで酸素に変える重要な役割を担っています。住宅業界が地域材を使うことは、山を守ることであり、私たちの環境を守ることでもあるのです。

 さらにLCCM住宅を実現するためには、鉄筋コンクリート造を建てるとなるとCO2排出量を計算すると、エネルギー収支がゼロになるのに100年ぐらいかかるんではないかと思います。木造なら解体後もバイオマス燃料にするなど工夫がしやすく、エネルギー収支がマイナスになりやすい。今年度改正された住生活基本法でも、木造住宅の普及や中高層住宅の木造化などが組み込まれています。

 これから住宅においてもCO2削減を加速させるため、長期優良住宅や性能表示を数値化しながら長く住めるよう国も制度化し、2050年までにカーボンニュートラルな世界を作るビジョンを掲げています。

エバーフィールドのこれからは?

Q

 住宅に限らず施設や公共物など「木造建築物に関してはエバーフィールド !」と、言われる会社にしたいです。今後この敷地内に木材加工場を建築する予定ですが、これは世界初の工法で造ります。そういう事業に取り組めば、職人さんたちの技術向上や糧にもなるはずです。

 これから先、長期優良住宅が増えて少子高齢化が進めば、 必然的に新築棟数は減っていきます。コンパクトな未来都市になり建物は高層化して...、そんな社会が予想されます。地域の工務店さんが生き残っていくためには、今まで培ってきた技術を中高層住宅や施設建築にも活かし、実績を作っていくことが必要です。 これから世界が注目する難題の木造建築物にも果敢に挑戦して、若い人が住宅業界に憧れを持てるような、物心両面の豊かさを追求して取り組んでいきたいと思っています。

エバーフィールドが取り組む住宅版SDGs

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家族が健康で長生きするための安心安全な家づくり

■構造の仕様と最低数値を決め構造性能の標準化

 ・断熱省エネ・・・UA値0.5以下/R0値30%以上
 ・耐震性能 ・・・耐震等級3(地震係数1/許容応力度計算)

■断熱材仕様を統一(サッシは最低値を決める)

 ・セルロースファイバードライ工法・基礎断熱・墨による防蟻処理

■長期優良認定住宅

全棟、構造性能の標準化

第三者の検査機関に依頼し設計と建設性能評価合わせて

全10回の検査を実施(JIO+JHS)

全棟、設計・建設性能評価検査

性能、検査の標準化を実施しながらも、
数値に表れない体が感じる快適さを重視し、日々追求し続けています。

数値より健康・体感を重視した材料選定

快適な住環境を確保しながら、地域のコミュニティを形成

■コンクリート基礎、熊本県産材使用、ZEH仕様の高性能木造住宅応    急仮設住宅を建設。着工棟数563戸、みんなの家59棟

■熊本型復興モデル住宅展示場の建設・運営。

KKN(熊本工務店ネットワーク)加盟工務店38社で運営し、234棟を   着工。

■買取型災害公営住宅建設 熊本県に本社がある工務店、設計事務所による高性能災害公営住宅を建設。

熊本地震復旧・復興への取り組み

安定した雇用と経済活動、森林保全のための仕組みづくり

小国森林組合と協力して地元の山で伐採し、地元の製材所で加工し、阿蘇の地熱で乾燥し、構造材から仕上げ材まで産地加工場に拘った木材を地元の大工の力で作る住宅を提供し、生産者のわかる木材のトレーサビリティを目指す。 職人(木材加工・大工・建具等)の加工工程を多くし、地元の職人に多くの賃金を払える仕組み作りを実施。

地元森林組合との連携

熊本地震で断熱メーカーの復興モデル住宅使用分セルロースファイバーに対して熊本県有林保護のカーボンオフセット・クレジット購入を見て、その後毎年1年分の弊社使用熱材(セルロースファイバー)使用 分のカーボンオフセット・クレジットを購入。

※1月~12月使用料を計算して年度末の3月に購入

熊本県カーボンオフセット・クレジット購入

■リサイクルの取り組み・・・全現場、全メーカーサイディングリサイクル
■働き方改革・・・設計・工務スタッフ・社員大工・事務所スタッフ週休二日制、休日年間110日+有給休暇(誕生日等の強制休日)、産休後の職場復帰支援

■社員大工の育成・・・社員大工化による大工育成

その他の取り組み

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ハイセンスな店舗設計やディスプレイを手掛け、住まいづくりにも定評ある『SHIN空間研究所』。以前のオフィスは窮屈で、「デザインを通じてお客さまの夢を叶える立場なのに、そんな環境ではクリエイティブな発想は生まれない」と、気持ちよく仕事できる社屋を建設した。

 大通りに面しているメリットを生かし1階を全面ガラス張りにしたショールーム、2階はスタッフルームにし、効率的かつ仕事に集中できるよう、整理整頓できる収納を個人と共有用それぞれ多めに用意。共有棚にはカタログやサンプルが分類され、ひと目で取り出しやすくなっている。 またチームで仕事をするため、いつでも相談できるよう先輩と後輩を隣同士の席に。窓は高気密なペアガラスを用い、屋上にはソーラーパネルを設置。吹き抜けの多い建物ながら、夏でも2階の冷房だけで十分。そんな快適さも身を以て提案できるようになった。何回でもデザインの変更ができ、建てた後もメンテナンスを定期的に行うなど、お客様への対応も手厚い。感動レベルの住まいが生まれている。

株式会社 SHIN空間研究所

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​話題のスマートなオフィス

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スタイリッシュなデザインを得意とする同社。1階に設けたリビングや洗面台、キッチンスペースで実際の暮らしをイメージできる

快適オフィスから生まれる卓越したデザイン

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暮らしを創造するオフィスは、美意識と機能性をあわせ持つ
仕事場を兼ねた 夢膨らむショールーム

デザインワークを最優先に考えたスタッフルーム

ポイントは効率的な 動線・収納・コミュニティ

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