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慣習化された「常識」を疑う家とまち、空間の繋がりを大切に

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緻密な計算から生まれた 「らしからぬ」2階建

一見するとシンプルに見えるが、 素材、角度、高さや厚みといった一 つひとつを緻密に計算されたもの。 矢橋さんの構想は「基本的なとこ ろに疑問を持つ」ことから始まる。

受賞した「下江津の家」の場合、 慣習にならって正面に駐車場を作ると、目の前の公園との関係が分断された閉じた住宅になってしまう。そこで公園や周辺の環境と 立体的に関わりをもつ、ちょうど いい開き方をした住宅を目指した。

隣家と密接する南側は閉じた空間 とする代わり、東側へ大きな開口 部を集約させて隣地の畑を庭がわりに眺められるよう工夫。2階建 の概念を取り払った屋内は1階 と2階の間の 1 ·5 階にリビング、 半地下にオフィスを設け、連続性 のある造りとした。

愛着のわく家を前提としつつ、「あの家が建ってよかったね。と周辺から喜ばれることが理想」と 語る矢橋さん。「地域と家の関係 性を良くすることは、暮らす人に とっても大事ですから」。あらゆる隔たりをなくした家が、住む人と地域を繋いでいる。

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窓の隙間から人の足や頭だけが見えるユニークな造りが、街の景色に 変化と明るさを与えている

周辺との均衡を考えた屋根の角度や素材 を選ぶことで調和を図りつつ、細やかなディテールでエッジを利かせた バランスが絶妙

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キッチンから見た道路側の室内。1.5階のリビングが外からの視線をガー ドしている。キッチン正面には隣地の畑が広がり、開放感たっぷり

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おおらかな空間に出迎えられる玄関。所々に抜けを作ることで、室内に居ながら屋外と繋がっているような感覚に

熊本市東区Y様邸

敷地面積/185.88m²(約56.23坪)

延床面積/107.35m²(約 32.47坪)

工法/木造軸組工法 設計期間/約9ヶ月

工事期間/約5ヶ月

撮影/八代写真事務所・ 矢橋徹建築設計事務所

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隣地の畑に面した壁を全面窓に。道路からの視線を 気にせず自然光を取り込みながら、四季折々の植物を鑑賞できる

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リビングから見た室内。2階の奥に子ども部屋、1階奥には主寝室や浴 室が。道路側から奥へ進むにつれてプライベート性の高い空間を配置

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半地下にご主人のオ フィス。デスクワークをする目線の先に公園が広がり、近所の子どもたちを見守りながら仕事をしている

 ▶設計のポイント 

目指したのは、プライベート性を確保しつつ開放感のある家。 公園に面した道路側に半地下オフィスと1.5階リビングを配置 し、道行く人と視線が交わらないようコントロール。2階建 でありながら4つの高低差を持つフロアで構成され、外から 室内が見えにくい一方、中からは外の見通しが利く造りとし ています。

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​■プロフィール

1981年まれ
日本文理大学工学部建築学科卒

UID一級建築士事務所勤務、森繁建築研究所勤務を経て、 2013年矢橋徹建築設計事務所を設立。

2020年から崇城大 学工学部建築学科非常勤講師 住宅実績/9棟(うちリノベーション2棟)

設計監理料/総工事費の10%〜12%程度(応相談)

ARCHITECT

矢橋 徹 Tohru Yahashi

​矢橋徹建築設計事務所

敷地周辺の特徴から依頼主のライフスタイルまで包括的に考え、想像上になかったものを積極的に提案しています。

【所在地】〒860-0017 熊本市中央区練兵町45早野ビル304

【TEL】096-277-1891

【FAX】096-277-1892 

【URL】https://yabashi-aa.com

【Mail】info@yabashi-aa.com

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